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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Nikon NIKKOR 50mm F2 ◆メンテナンス編◆

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いわゆるオールドレンズともなると、一見問題ないように見えてもよーく見ると内部にカビやくもりが生じているというケースは多い。割り切ってそのまま使用するのもいいが、可能であれば清掃して綺麗にしてから使いたいものだ。今回は1970年代発売のオールドニッコールの分解清掃にチャレンジしてみたいと思う。

目次

NIKKOR 50mm F2はどんなレンズ?

ニコンの50mm F2レンズといえば、かつては「Nikon F」用として登場した標準レンズの定番中の定番モデルであり、系譜としてはレンズ構成が5群7枚構成の「Nikkor-S Auto 50mm F2」と、それ以降の4群6枚構成モデルのふたつに大別される。本日紹介するのは1974年発売のシリーズ4代目、Ai方式になる前のいわゆる「ニューニッコール」時代のモデルだ。

1978年にはすべてのニッコールレンズはAi方式に変更、F値も少し明るいF1.8モデルが登場したことで、50mm F2モデルは普及価格の標準レンズという役割を終えることになるが、レンズ構成もほぼ同等のもので写り自体は後年のモデルと大きく変わらない。折しもジャンクのNikomat FTNを入手したばかりで格安の非Aiレンズを探していたところ、フリマアプリにてカビ有の格安品が出品されており落札に至った。

レンズ内状況の確認

入手した個体は、なるほど事前のアナウンス通りレンズ前玉に見事なカビが生じていた。角度を変えて前後からよくよく観察してみたが、どうやらカビは前玉内部に這っていて、その他は目立った問題はないように思える。

このカビさえなければ新品同様の光学…というほどではなく、経年なりのチリや薄曇りのある個体ではあったが、値段を考えれば十分に使える状態である。カビのほうも前玉にあるので、このままでも写りにあまり影響はない気もするが、ここまではっきり生えていると精神衛生上良くないので、とりあえずこのカビの除去を目指して分解してみようと思う。

オールドニッコールのカビ清掃に挑戦

レンズ前玉から分解

ニッコールレンズはまず前玉の化粧リングかフィルター枠から外せるケースが多い。今回使うのは吸盤オープナーと呼ばれるゴム製リングで、切り欠きのないレンズリングや巻き上げレバーの飾り蓋の取り外しなどに広く使用できるスグレモノだ。

このような形のゴム製パーツはホームセンターを探せば安価に入手可能だが、この製品のいいところは6種類の直径の違うゴム製吸盤リングが同梱されているところで、それぞれ前後でもサイズが違うので、これだけで13mm~62mmの12種類の直径に対応できる。今回のレンズはフィルター径52mmなので、充ててみて一番しっくりするサイズのものを選べばよい。

前玉の化粧リングに強く押し付けながら反時計回りに回すことで、簡単に化粧リングが外れた。

続いて次のパーツを同じようにオープナーで回していく。

前玉のレンズ3枚をひとまとめとするユニットが外れた。

外れた前玉ユニットから、一番上部にある二つ目の化粧リングを外す。このあと、更に次のリング状のパーツを外したいが、これにはいわゆるカニ目レンチかカニ目コンパスが必要となる。私が使っているのはこちらで、多少値は張るが堅牢に作られていて信頼度の高いカニ目コンパスだ。

このコンパスをリングの穴に充て、反時計回りに回す。力の配分は推す力8、回す力2くらいの気持ちで、くれぐれもコンパスでレンズを傷付けないように慎重に行いたい。個体によってはかなり硬い場合もあるかもしれないので油断禁物だが、私の場合は程なく回ってくれた。

リングが外れた。前玉一番手前のレンズはこのリングで押さえているだけなので、これで取り外すことが可能となる。

問題のレンズを無事取り出すことが出来た。

中性洗剤と無水エタノールでカビ清掃

カビの生えているレンズの内側(凹面)を清掃。無水エタノールだけでは歯が立たなかったので、台所用の中性洗剤を付けた綿棒で優しく拭き、そのあと無水エタノールで洗剤を拭き取るように清掃する。

経年による薄曇りまで無くなるわけではないが、カビのほうは綺麗に除去することができた。

問題のカビを除去できたのでこれ以上の分解はせず、残りのレンズの手の届く部分のみ軽く清掃し、分解した時と逆の手順で組み立てる。特に今回の個体は後玉がさほど汚れていなかったので、レンズ後方のマウント部分を分解せずに済んだのは幸いであった。深追いはしないのがカメラ分解の鉄則だ。

別で入手していたジャンクのNikomat FTNに装着してみた。同年代のモデル同士の組み合わせなのでとてもよく似合っているし、使用感も上々である。多くの単焦点レンズは分解さえ出来てしまえばちゃんと清掃できるので、多少汚れていても復活の余地が残されている場合もある。ジャンクのカビ玉などもし格安で入手できたら、試しに一度挑戦してみてもいいかもしれない。

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