LEICA M10 ELMAR L50mm F3.5 1/20秒 ISO200
不法占拠なのか、法廷闘争中の伝法院通り商栄会
M10とオールドレンズでご紹介してきた2022年師走の浅草寺ですが、今回は番外編として浅草寺に隣接する伝法院通りに出店している商店街にフォーカスしておきましょう。ここは現在も浅草名所のひとつという位置付けにありますが、近い将来消滅するかもしれないことをご存知でしょうか。
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伝法院通りは浅草寺の仲見世商店街と交差する位置にあり、メンチカツやカレーパンなど食べ歩きで行列ができることもある浅草の定番スポットですが、この通り沿いに建つ店舗のうち「商栄会」に属する32店舗が、地元の台東区に店舗の立つ場所は公道上で不法占拠に当たるとして立ち退きを求められているのです。
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昔からある商店街という認識でしたが、調べてみたところここの店舗営業は1970年代、浅草公会堂が完成した頃からのもので、公会堂の建設に合わせた区の周辺整備の一環で建てられ、この場所で終戦直後からバラックで営業していた露天商たちが入居したものとのこと。時間軸だけで言えばほぼ半世紀にわたって存在していたことになります。
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それがなぜ今頃こんなことになっているのかわかりませんが、区がこの問題を口にしだしたのは2014年頃からでそれまでは黙認していたことになります。あるいは気付いていなかった可能性もありますね、少なくともここで営業する事業者たちは所得税も払っているでしょうから、50年間にわたって不法占拠してきたという主張にはちょっと違和感はあります。
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ただこの商栄会、定番の観光スポットの一端にあるとは言っても、すべての店舗が繁盛しているかと言うと実は多くはシャッターが閉じていて、決して順調ではないことが窺えます。
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おそらく、このままではこの商店街は法廷闘争で決着がつくより前に現在より更に衰退してしまう可能性が高いです。区にしてみたらこの一等地、もっとお金を掛けてちゃんとした事業者を迎え入れ、人が呼べるような場所に変えていきたいというのが本音でしょうか。
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同じ伝法院通りでも別の組合に属するお店はもう明らかに店構えが違っていて、こちらは安泰に見えます。これ問題が長引けば、おそらく後継者などいない現在の商栄会の事業継続はどんどん難しくなっていきます。一方で区は次の世代にこの問題を継続審議させることができますので、そうこうしているうちに事実上区が勝利することは想像に難くありません。仕方がないことなのでしょうか、私はどちらの味方でもありませんがなにか釈然としないものは残ります。
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