ついに「伝説のマクロ」といわれる超本命マクロレンズを購入した。タムロンのSP AF90mm F2.8 Di MACRO(272E)というモデルで、ハイアマチュア~プロカメラマンなら必ず一度は使ったことがあるとまで言われる有名なレンズだ。
タムロンの90mmマクロは実に25年前から脈々とモデルチェンジを繰り返しており、現在の272Eは2004年の発売となる。さすがに外観は今からすれば古さを感じてしまうが、光学性能に至っては最新のレンズにも全くひけをとらず、そのくせ比較的安価であることから愛用者は本当に多い。この世界ではマクロレンズの代名詞的な存在だ。
マクロレンズはNEX用に30mmF3.5をすでに所有しており、このレンズも安くていい写りをするので気に入ってはいるのだが、Eマウント用なのでα77には使えないし、それにマクロとして考えれば30mmという焦点距離はやはり少々短く、もう少し長いレンズが欲しいと思っていた。SONYにも50mm、100mmの2本のAマウント純正レンズがラインナップされているが、今回は予算的に財布にやさしいタムロンの「伝説」とまでいわれる90mmを試してみようではないか。
SONY α77 Tamron SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1/800秒 F2.8 ISO100
90mmという焦点距離はAPS-C機で使うと35mm換算で約135mmと完全に望遠となってしまうので、少し長すぎるのではないかとも思っていたが、試しにそのへんで咲いていた花を撮ってみると、普通にカメラを構えただけで被写体が大写しとなるので自然とマクロ的な構図となり、むしろちょうどいい距離に感じられた。
そして、撮れた絵はまさしく評判通り。ピントの合った部分は適度にシャープだが、全体としては非常に柔らかい絵で、優しいトーンでボケがふわりと寄り添う感じ。用途が違うので一概に比較はできないながら、言っちゃ悪いがSONYの30mmF3.5を完全に凌駕している。8年も前の設計のわずか数万円のレンズとは思えないおそるべき性能だ。カメラと写真の世界は、必ずしも新しいものが高性能とはいえないところがまたおもしろい。
SONY α77 Tamron SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1/2500秒 F2.8 ISO100
欠点もある。まずオートフォーカスは遅いし、少々ウルサイ。一度ピントに迷うと前玉が行ったり来たりして結局迷いっぱなしということも少なくないので、一瞬のシャッターチャンスを狙うとか、そういう用途には全く向いていない。それとやはりこのレンズ自体のデザインが今となってはダサ過ぎる。α77に装着した姿は、贔屓目で言ってもとてもかっこよいとは言えない。
だが、これだけの描写性能を持ちながら、ここまで安価なレンズはなかなかないだろう。F2.8と大口径なので、普通にポートレートで使っても背景を大きくぼかした表現もできそうだ。3年くらい前からいつか購入しようと思っていたが、もっと早く買っておけばよかった。おすすめの1本である。
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