希少な「可愛い」カメラ用トートバッグ
世の中カメラバッグというものは無数に販売されているが、その中でまずかっこいいカメラバッグというものは殆どない。そんなことないだろと突っ込まれそうだが、少なくとも私の感性ではそう感じる。
しかし普通のバッグにカメラを入れて使うと、あっという間にバッグが変形・劣化するので、カメラを持ち運ぶならやはりカメラ用に設計されたバッグが適している。ここ数年はバッグとしてのデザインも素晴らしい（と感じる）DomkeのF3かF10を愛用しているが、まあたまにはもっと違うバッグも使ってみたいと思い、今回たまたまWebで見かけたエレコムのお洒落カメラバッグ「off toco（オフトコ）」シリーズのトートバッグ、DGB-S030（BK）を購入してみた。カメラ用のトートバッグはそもそも種類が少ないうえに全く可愛くもないものが多いが、DGB-S030はoff tocoシリーズならではのお洒落なデザインで、一目で気に入った。
デザイン◎、機能〇、あとは耐久性
外寸は幅390mm×奥行160mm×高さ280mmと、トートバッグとして考えると少し小さめだが、バッグの両サイドがファスナー仕様となっていて、これを開けるとかなり大胆に内部へアクセス可能である。仕切り板付きのインナーケースは3つに区切ることができ、一般的にはカメラ1台と、交換レンズ2本程度が無理なく収納できそうだ。
実際に愛用のZ6と標準ズームレンズ、望遠ズームレンズを収納してみた。サイズ的にはこれくらいで使用するのがいいだろう。トートバッグなので持ち運びは持ち手か付属のショルダーベルトを肩に架けて使用することが想定されるが、そもそもこの持ち方だとこれ以上の重さになると体に掛かる負担が大きいので、このバッグにパンパンに機材を詰め込むとか、重量級の機材を運ぶとかは考えない方がいい。
内部に仕切りがあり、13.3インチくらいまでのノートPCも収納可能。しかし、PCを収納してしまうとカメラの収納スペースを侵食してしまうので、PCバッグとして使うときはカメラの収納場所は狭くなることは把握しておきたい。
バッグの内側にもポケットが多いが、外側も前面、背面共に収納ポケットが完備。特に背面にあるズボンの尻ポケットのような小ポケットはレンズキャップ用とのことで、なかなか気が利いている。
製品説明に書かれていないので推奨される使い方ではないかもしれないが、持ち手から本体に延びる位置にスリットが付いていて、ここに三脚の足を挟んだうえで三脚をベルト等で固定してしまえば、写真のように三脚を収納することもできる。
または三脚を普通にバッグに縦に入れてしまうことが出来るのもトートバッグならでは。全体のサイズ感が小ぶりなので収納量は限られてしまうが、ショルダーバッグやバッグパックとはまた違った使いやすさがありそうだ。カメラバッグらしくないこじゃれたデザインなのでライトに街中で使用するのがお似合いだが、あとは耐久性がどれほどのものかが気になるところ。実はこのトートバッグ、公式HPではすでに販売終了となっており、入手できるのは現在在庫品のみと思われる。offtocoシリーズとしても現在トートバッグの後継製品のアナウンスがない為、気になる方は早めに入手しておいた方がいいかもしれない。
2024年追記：3年使ったらこうなった
購入時「耐久性のみ不明」と記載したので、購入後約3年経過後のバッグの状態を追記しよう。最初に言ってしまうと、耐久性は×と言わざると得ない。
このバッグは付属するショルダーベルトを使ってショルダーバッグにもなるのだが、ショルダーベルトを本体に通す金具がバッグの写真の位置にある。ここが使用しているうちにバッグの自重によりめくれあがってしまうことにより、隠れていたファスナーの一部が顔を出し、本来の端正なデザインが台無しになってしまった。この位置に接合金具を持ってきたのは設計のミスであろう。
また肩ひもが折れ曲がった状態でクセが付いてしまい、手で肩ひもを持っていなければ写真のような状態になってしまい見た目にもかっこ悪い。先に述べたショルダーベルトの接合部分の劣化といい、カメラバッグとして考えると設計の弱さを感じるし、単なるトートバッグとして考えても細部の処理が甘いのではと感じる。エレコムはアパレルメーカーではないのである意味仕方がないのかもしれないが、商品コンセプトは悪くないと思うので、もっと高い次元での完成度を目指していただきたい。
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