ついにα-7を入手した。α-7といってもSONYではなくMINOLTAのフィルム一眼α-7である。
α-7の登場した2000年9月といえば、市場ではぼちぼちデジタルカメラが台頭しかかっていた時代。私もすでに当時ヒットしていたコンデジ、オリンパスのCAMEDIA C-2020を購入していた頃だ。この頃、デジタル一眼レフは存在していなかったわけではないが、価格は優に100万円を超えるシロモノであった為、市場ではまだ一眼レフはフィルム機が主流であった。
ミノルタはこの後数種類の一眼機を発売したが、2004年最後のフィルム一眼α-70までいずれも廉価機のみであったことから、α-7はミノルタ最後の中級機であり、最終形態であったといえる。実際、現在のSONYαの高級レンズで採用されているレンズ内モーターSSMがすでにα-7では使用可能となっていた。
ボディ左右にダイヤルを装備、背面には大型の液晶パネルを装備し、のちのα700にも通じるフォルムは中級機でありながら小型軽量にまとまっていて、よく考えられたデザインだ。
α700は後にα77へそのポジションを受け継ぐことになるので、本機α-7は現在のα77Ⅱの先祖といえなくもない。両機を並べてみると曲線を多用していかにも現代風のα77Ⅱに対して、α-7は直線的でスタイリッシュであり、カメラとしては決して古臭い印象はない。今回中古で購入した個体は比較的外観も綺麗で、この機種によく見られるグリップや背面部の加水分解によるベタつきもごく軽症であり拾い物といえた。
それでは細部を見てみよう。ファインダーは視野率94%倍率0.8倍のガラスペンタプリズム方式。実際に覗いてみると明るく、数値以上に見やすい。ボディ右側にはPASM切り替えダイヤルと、その下部にシャッターモード切り替えダイヤルを装備。中級機らしくシャッターボタン前後に設定変更ダイヤルを備え、測光モードレバーやAF/MF切り替えボタンもある。
ボディ左には電源スイッチ。露出補正ダイヤルとその下部にはフラッシュ調光補正ダイヤルを装備。秀逸なのがこの露出補正ダイヤルで、1/2EVステップ側と1/3EVステップ側に左右で分かれていて、ユーザーが好きな方を選べるようになっている。カメラ上級者の拘りをよくわかった設計といえるだろう。
ボディ背面にはスポットAFボタンとAFモード切り替えレバー。そして大型のナビゲーションディスプレイとその設定ボタン群。デジカメのモニターとは違い絞り値やシャッタースピード等撮影情報を表示するのみだが、デザイン的にはすでに現在のデジカメスタイルを先取りしたようなフォルムである。ちなみにフィルムカメラではEXIF情報が記録できないが、α-7では直前5コマのシャッタースピード、絞り値、露出補正値がこのディスプレイで確認できる。また、表示方向はカメラの縦位置、横位置の動きに追従する。
手持ちのSONY製SAL1680ZAを装着するとこの通り、精悍なイメージで良く似合っている。但し、前回α Sweetのとき(過去記事はこちら)同様、フイルム一眼は35mmフィルムを使うのだからフルサイズ規格なわけで、本レンズのようなAPS-C用のレンズを使うとフルサイズ画角をカバーできず四隅がケラれてしまうので、実際にはフルサイズ用レンズを使うか「奥の手」テレコンMC4を装着するなど(過去記事はこちら)、工夫が必要だ。
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