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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

大内宿 ◇撮影レポート◇

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Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/200 F8 ISO100

目次

江戸時代の面影を残す、茅葺き屋根の宿場町

大内宿(おおうちじゅく)は、福島県南会津郡下郷町にある、江戸時代における会津西街道の「半農半宿」の宿場町。明治時代になって宿場としての役割はなくなりましたが、茅葺屋根の民家が街道沿いに建ち並ぶ姿は、福島県を代表する観光地として現在も受け継がれています。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/200 F8 ISO100

実際に足を踏み入れてみると、均一に並ぶ茅葺き屋根や電柱のない通り、トーンが統一された看板など、江戸の宿場町がそのまま残っているかのような美しい町並みに、タイムスリップでもしたかのような気分になります。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/125 F8 ISO110

外国人の観光客も多く、国際的にも有名な観光地となっていることがわかります。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/80 F8 ISO100

しかし見て歩くうち、最初の印象とは少し違う感覚が残りました。 美しさはあるのに、どこか驚きがない。 風景の密度が薄く、既視感のある静けさが漂っている。 整っていること自体は悪くないのに、なぜか心が強く動かないのです。その理由は、歩きながら少しずつ見えてきました。

生活と観光が重なる集落の構造

大内宿は観光地であると同時に、今も実際に住民が暮らす集落です。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/200 F8 ISO100

地図をご覧いただければわかりますが、ここは比較的広い国道121号線から、細い県道へ入ってしばらく走らないと到着できない結構な山奥。豪雪地帯でもありますので、ここで生活する人々にとっては日々の買い物や病院など生活インフラへの距離、そのうえの観光客の出入りなど、その負担は外から見る以上に大きいものと思われます。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/125 F8 ISO100

家屋は住居であり、店でもある。裏側には生活空間があり、表側は観光向けの景観を保つ。「生活」と「観光」が重なった独特の構造が、この場所の空気を形づくっているのです。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/100 F8 ISO100
Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/160 F8 ISO100

観光地としての姿と、生活の静けさが同居している場所。 その二重構造が、この町の根本的な構造です。

公金で支えられた“江戸風の景観”

大内宿は「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。 そのため、家屋の外観の変更は許可制で、茅葺き屋根の維持も義務となっているのです。この日も、複数の家屋で屋根の補修工事が行われていました。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/160 F8 ISO100

葺き替えには数百万円〜1000万円規模の費用がかかるため、当然自治体だけでは賄えないので国・県・町の補助金が入っています。つまり、この美しさは「自然に残った江戸」ではなく、公金と住民の努力によって維持されている「江戸風」なのです。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/160 F8 ISO100

よく整えられた観光地であることは確かです。その整いすぎた美しさが、ある意味風景の密度を薄くしているように感じられても、美しさの裏側にある負担と制度を知ると、単純につくりものと言いきってしまうのも的外れでしょう。

整いすぎた美しさはどう評価すべきか

写真で見た美しさに惹かれて訪れた大内宿でしたが、いろいろ考えていると単純に「面白い」「面白くない」で語れる場所ではないような気がしてきます。文化保存の努力があり、生活があり、制度があり、観光がある。ここはその複雑さの上に成り立っている場所なのです。

Nikon Zf | NIKKOR Z 24-120mm f/4S | 1/125 F8 ISO100

整いすぎた美しさは、正直確かに物足りなさは感じます。しかしこの姿は、住民と行政の努力の結果でもあります。だからこそ、無下に「面白くない」と切り捨てることはできません。美しさと物足りなさが同居する、少し複雑な江戸の街並み。歩きながら感じた評価の揺らぎそのものが、大内宿という集落の本質なのかもしれません。

アクセス

現地の入り口付近に大きな有料駐車場が完備されていますので、よほどのハイシーズン以外は困ることはないと思います。鉄道の場合は会津鉄道の湯野上温泉駅から、タクシーやバスで約20分程度の距離。

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