
賑わう動物園の外側にある小さなバラ園
平日だというのに、市川市動植物園の駐車場はほぼ満車。このところの子ザルのパンチくん人気のせいでしょうか、カップルや親子連れが次々と動物園のゲートへ吸い込まれていきます。
しかし私はその流れからそっと外れて、バラ園のほうへ歩いていきます。同じ敷地内にあるのに、こちらへ向かう人影はまばら。賑わいの外側に、ぽっかりと静かな空気が残されているようです。

バラ園の入口に立つ金属アーチは、ところどころ錆が浮いていました。 塗り直しもせず、長い時間をそのまま受け止めてきたような鉄の色が見え隠れしています。ここは派手な演出も、最新の設備もない。 でも、その古びた質感が、この場所の素朴さを静かに物語っているようです。


早速この日久しぶりに持ち出した望遠ズームを構えました。AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR は一眼レフ時代のレンズでもう何年も愛用していますが、ミラーレスの Zf で使うにはマウントアダプターを経由する必要があります。多少不便ですがとても良く写るので、いまだにリプレイスする気になれないレンズです。もちろんお財布事情もあることは言わずもがなですが。

アーチの錆のすぐそばに、ふわりとピンクのバラが咲いているのを発見しました。柔らかい花びらと、無機質な錆の対比が妙に美しいです。錆とバラってこんなに相性が良かったっけ。この日撮った写真の中で、一番良く撮れたのはこの一輪で決定です。この場所の本質がそこに凝縮されている気がするので。


園内を歩くと、花壇は丁寧に手入れされているのがわかります。雑草は抜かれ、バラの種類も思った以上に多く、お金をかけている感じはしないのですが、手間は確実にかけられています。多分、動物園と同じ経営管理で、ここはほぼボランティアの力で維持されているのだろうと思います。そういう人の手の温度が、花の並びや土の状態から伝わってきます。


園内はそれほど人が多くなく、風の音と鳥の声がよく聞こえます。気付くとそんな静けさの中で、ひとりスマホを構えて喋っている女の子がいました。どうやらバラを背景に、何かを配信しているようです。素朴な空間に突然差し込む「現代」の光景が、不思議でもあり面白くも思いました。

動物園の賑わいのすぐ隣に、こんな静かな庭があることを知っている人は多くないと思います。派手さはないですが、錆びたアーチの端に咲く一輪のバラを見ていると、この場所が静かに愛されてきたことが想像できます。無料で開かれた小さなバラ園。 ふと立ち寄ると、思いがけず心が落ち着くかもしれませんよ。

ちなみに本命ともいえそうな動物園のレポートはこちらになります。

アクセス
市川動植物園の駐車場料金は500円、動物園入場料は一般440円ですが、バラ園は駐車場から入場料なしで入園できますので、動物園だけで帰ってしまうのはもったいないです。パンチくんを見たあとはこちらにも寄ってみては。



コメント
コメント一覧 (2件)
10年以上前に行きました。その頃とあまり変わっていないようです。結構広いし人が少ないから、撮影に向いている場所だったと思ったものです。
You 様
ご覧いただきありがとうございます。素朴な感じでとてもいい場所でした。
撮影スポットとしてお勧めはしたいのですが、混み合ってないところが魅力のひとつなのでジレンマですね。