
フィルム時代のズイコーレンズの実力を探る
オリンパスのフィルム時代(1970年代〜)を代表するOMレンズ(ブランド銘は「Zuikoレンズ」)は、小型・軽量かつ高い光学性能で知られるマニュアルフォーカスレンズ。OM-1をはじめとするOMシリーズに採用され、小型化されたカメラボディに合わせて設計されたレンズ群は、現代のミラーレス一眼でもアダプターを介して使用可能です。

フィルムカメラの名機OM-1については以前実写レポートを記しましたが、そういえばこの旧Zuikoレンズ群をデジタルでちゃんと使用してみたことはあまりなかったように思います。そこで今回はあらためて、手持ちの旧Zuikoレンズをミラーレスで真面目に使ってみることにしました。(注:現行OM SYSTEM社のマイクロフォーサーズ用レンズも名称は「Zuiko」なので、銀塩時代のZuikoレンズ群のことはここでは「旧Zuikoレンズ」と呼ぶことにします。)

用意したレンズはラインナップ中比較的安価で入手しやすい28mmF2.8、50mmF1.4、75-150mmF4の3本。これらをOM→Eマウント変換アダプターと更にEマウント→Zマウント変換アダプターを噛ませてNikon Zfで使うこととします。
ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8







あれっこんなに良く写るレンズだったっけ、というのが正直な感想です。旧Zuikoレンズ28mmでは1世代前の28mmF3.5が伝説級に評価が高いのですが、この28mmF2.8もなかなかどうして素晴らしい描写。四隅まで破綻のない描写でかつマルチコートらしく逆光にもほどほどに強く、安心して使用することができました。色再現もいい塩梅に仕上げているので、RAW現像時もあまり弄らなくてもいいのも好印象です。
G.ZUIKO AUTO-S 50mm F1.4
中古のOM-1を購入しようとするとボディに装着されているのはこのレンズか50mmF1.8が多く、旧Zuikoを代表する1本と言っても過言ではないでしょう。どちらもタマ数は多く今でも安価に入手可能と思います。

50mmF1.4は何度かマイナーチェンジをしており、それぞれ少しづつ仕様が違うのですが、このG.ZUIKOは初期のモデルでコーティングがモノコートのタイプです。







F1.4と大口径なのでボケを意識した絵作りができるのが楽しいレンズ。旧Zuikoレンズの、色乗りが盛るでも削るでもないのになぜかクリアという独特の写り方はデジタルで使っても健在。光が白飛び気味に写る傾向があり、その曖昧さが絵画調と思っていましたが、デジタルで使うと白く飛んだ光の中にデータがちゃんと残っているので、RAW現像の際にどのくらい諧調を残すかをコントロールできるという新しい楽しさを発見してしまいました。
ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4
ズームレンズの黎明期から登場していたロングセラーレンズ。発売当時から価格も控えめで人気があり、現在でも中古市場ではタマ数も多く安価に入手可能です。

ズーム域が2倍と可動域は狭いですが、代わりにF4通しで使いやすいと思います。このレンズ、実は私が中学生の頃、両親にねだって買ってもらった思い出のレンズです。初めて手にした憧れの望遠レンズだったので嬉しくてOM-1で撮りまくった記憶があります。


あれから何十年も経ち、Nikonのデジタル機で使えるなんて本当にいい時代になりました。Zfなら見た目も当時と近しいので懐かしさもひとしおです。





フィルムで使っていた頃はそれほど良く写るという認識はしておらず、価格から連想して廉価版のレンズという印象のほうが強かったのですが、あらためて使ってみると思った以上にちゃんと写ることがわかりました。やや逆光に弱い・フリンジが出やすいなどの弱点はありますが、写りの傾向としては50mmF1.4に近く、全体としてはズームですが単焦点並みの画質と言っていいでしょう。焦点距離とF値と構図の取り方でちゃんとボケの表現もできますので、価格以上のバリューがあります。
安くてよく写るオールドレンズをお探しならお勧め
3本とも特別高級でもない普及レンズなのですが、ものすごく良く写るのに驚きました。50年くらい前のオールドレンズなのに写りは全然オールドっぽくないのは、オールドレンズに何を求めるかで評価が分かれそうですが、あらためてオリンパスって凄かったんだなあと思います。現在のオリンパスはOM-SYSTEMとなりマイクロフォーサーズ機が中心のカメララインナップですので、旧Zuikoレンズを本来の画角で使うには他社のフルサイズミラーレスを使うほかないのですが、その中ではやはり唯一ヘリテージデザインのNikon Zfが一番似合う気がします。




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