
AceProで近接撮影に挑戦
楽しく使っているInsta360 AceProですが、もちろん万能ではありません。このカメラ最短撮影距離が40cmということで、この数値だけ聞くとまあまあじゃないかと思うでしょうが、画角が超広角16mmで40cm離れると被写体によってはかなり小さくしか撮れません。冒頭の写真は猫専用トンネル内部にAceProを仕込んで動画を回していたものですが、猫との距離が40cmを切ってしまうため当初は猫にピントが合いませんでした。

このカメラは俯瞰構図で全体の様子を撮影する専用機と割り切ってしまえばいいのですが、もうちょっとなんとかならないだろうかというのが今回のチャレンジです。
通常のカメラで近接撮影をするには、こういう場合最も安上がりなのはクローズアップフィルターを装着することですので、AceProでもこの方法がとれないものかと考えました。
クローズアップフィルターってなに?
クローズアップフィルターとは、レンズの前に取り付けて、レンズの最短撮影距離よりも被写体に近づいて大きく撮影できるフィルターです。AcePro用の製品がないか探してみたところ、Amazonでこちらを見つけました。
しかしwebで作例を探してみるとなんだかぱっとしないし、クローズアップフィルターって国内の光学メーカー品ですら画質の劣化が厳しいアイテムなのに、素性の知れないサードパーティ品を導入するのってどうなのと思ってしまいます。そこで、通常のカメラ用フィルターをAceProで流用できるこちらのアダプターを購入しました。
これならフィルター径が52mmでありさえすれば、通常のカメラ用フィルターを使用することが出来ます。
アダプターリングの取り付け方
アダプターの取り付けは簡単で、AcePro本体にアダプターリングを製品付属の六角レンチでネジ止めするだけです。



アダプターリングを取り付けたら、その上にクローズアップレンズを装着するだけです。今回は手持ちのNikon製クローズアップフィルターNo.2を使用しますが、フィルター径が52mmでありさえすればUVフィルターでもPLフィルターでも何でも装着できますので、発想次第でレンズ保護から特殊効果までいろいろと利用できそうです。

しかも多少嵩張るとはいえ面構えもいい感じになりますね。
どこまでピントが合うのか検証
では実際にどれくらいならピントが合うのか検証してみましょう。今回使用するクローズアップフィルターは型番No.2という種類のもので、一般的には約25cm~50cmの範囲内でピントが合うはずの製品です。まずはフィルターを装着しない状態で愛用の小型カメラ、ローライ35SEを撮影してみます。

被写体までの距離約30cm、フレーム内で被写体の大きさは豆粒クラスですが、ピントが来てるかどうかわかり辛いと思いますので拡大画像を埋め込みしておきました。全然ピントが合っていないことがわかります。

クローズアップフィルターを装着して同じ距離から撮影したのがこちら。ローライにピントが合いました!これなら現像時にトリミングすれば作品としてもなんとかなるかもしれません。

距離を詰めて約20cmまで寄ってみましょう。被写体の大きさは果物クラスまで大きくなってきました。ピントも30cmのときよりは少し甘いですが、まあまあ見られる程度かと思います。

15cmまで寄りました。被写体はさらに大きく捕えられますが、再びピントが甘くなってきました。このことから、クローズアップフィルターNo.2はAceProで使ったとしても、ほぼほぼ本来の性能通り「約25cm~50cm」の範囲内でならピントが合うようです。つまり、狙いたい被写体までの距離に応じた種類のクローズアップフィルターを装着すれば、近接撮影も一応可能にはなると言えるでしょう。

ただクローズアップフィルターを装着すると、近くにピントは合っても今度は遠くにピントが合わなくなりますので、付けっぱなしというわけにいかないのが面倒なところ。何をどう撮りたいかを考えて、必要な際に使うというのが基本的な利用方法になりそうです。
冒頭の写真はクローズアップフィルターを装着して動画を長回しした中からの1コマを静止画として切り出したものですが、ちょっとピントは甘いですが撮れないよりは全然いいのではないでしょうか。応用すればもっと面白い写真が撮れるかも?



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