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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Insta360 Ace Pro ◆静止画に振り切ったレビュー編◆

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目次

アクションカメラ Insta360 Ace Proとは

アクションカメラ(またはウェアラブルカメラ)とは、身体等に装着しハンズフリーで撮影する事を目的とした小型カメラの総称。通常のカメラやビデオカメラに比べ小型で軽量な為、ヘルメットや自転車・バイクのハンドル、サーフボードやスノーボード等の先端などに取り付けて撮影することもでき、どちらかというとVlogなどの動画撮影用に使われるアイテムなのですが、一方では静止画の撮影機能も保持しています。

今回購入したInsta360 Ace Proは焦点距離16mm相当の単焦点レンズを搭載し、センサーサイズが1/1.3インチ、静止画の画素数は4,800万画素というスペック。このセンサーサイズはレンズ交換式カメラに比べれば見劣りしますが、それでも一般的なスマホのカメラなどに比べればずっと大きいものです。

また、16mmという画角は超広角と呼ばれ専用のレンズでなければ撮影できない特殊な焦点距離。私も超広角域のレンズは所有はしていますが、利用シーンが多いわけでもなく汎用性が高くないので、つい持ち出すのが億劫になりがちです。

しかしAce Proなら、71.9mm x 52.2mm x 38.5mm (幅 x 高さ x 奥行き)、重量179.8gという圧倒的な小ささで、バッグの隅に仕込んでおいても全く苦になりません。たまに行いたい超広角撮影を、レンズ交換ではなくアクションカメラで代替することができないものかと考えました。

現在この分野でリードしているメーカーは元祖アクションカメラの米GoPro、ドローンメーカーとしても知られる中国DJI、そして360度カメラに強い中国Insta360の3社となっていますが、私がなぜInsta360のAce Proに目を付けたかと言えば、理由のひとつにはレンズがライカの共同開発(という名目)でズマリット銘が付けられていることです。

ズマリットと言えば元々1950年代にライカ社が開発したF1.5の大口径レンズに付けられた名前です。ええ、私も所有していますので並べてみたのが上の写真ですが、まさか70年も経ってアクションカメラのレンズがズマリット銘を持つなんて想像もしていなかったでしょう。もちろん実際にはライカ社は名前のライセンス権を与えているだけでしょうが、それでもこの2ショットのレンズが同じズマリットだなんてなんだかロマンを感じてしまいます。

静止画で設定可能な項目を確認しよう

それではAce Proで行える静止画の関連項目を見ていきましょう。なんといってもアクションカメラなので、やはり動画撮影機能がメインとなりますが、下記内容において静止画の設定が可能です。

撮影モード・撮影仕様

ここでは「フォーマット」「アスペクト比」「解像度」「タイマー」の4項目の設定ができます。撮影後にRAW現像を前提としているなら、解像度4,800万画素のRAWとしておくことをお勧めします。

撮影パラメーター

Ace ProのカメラのF値はF2.6で固定となり変更することができませんが、撮影パラメータのマニュアルモード上でシャッタースピードとISOを可変させることができます。どちらか一方を固定させて他方をオートにしたり、あるいはどちらも固定させることもできますが、基本的に撮れる絵はパンフォーカスが前提となることや、手振れの可能性など考慮すれば無理にマニュアルモードで撮らなくてもAUTOモードで十分かもしれません。

視野角

Ace Proの静止画画角は35mm換算で約16mmですが、2種類のモードが用意されています。「ULTRA」は周辺が大きく湾曲したデフォルメ感のある超広角です。

「DEWARP」は画角は同等ながら、周辺の歪みが補正されていて自然な広角感を楽しめます。個人的にはこちらのほうがナチュラルで好みですが、RAWとしてデータ記録されているのは「ULTRA」のほうで、「DEWARP」はあくまで補正画像ですので、RAW撮影データは「ULTRA」相当の内容となっていることはわかっておいたほうがいいです。

LightroomでのRAW現像方法

それでは実際に静止画の撮影を行って、Lightroomに取り込んで現像をしてみましょう。

Insta360 AcePro | F2.6 1/18 ISO400

RAW現像をする場合、仕上がりが「ULTRA」画像なのか「DEWARP」画像なのかは予めイメージしておいた方がいいでしょう。前述の通り、RAWデータ自体は「ULTRA」相当の画像なので、そのまま現像してしまうとこのような絵になります。

私は「DEWARP」相当の画像のほうが好みですので、「DEWARP」に仕上げるにはLightroom等の現像アプリで編集を行う必要があります。細かなパラメータを弄って追い込んでいく方法もあると思いますが、Lightroomなら簡単なのはレンズ補正でGo ProやDJIといったアクションカメラメーカーのプリセットプロファイルを適用させてしまうことです。

レンズ補正でGo ProのHERO13を適用させたLightroomコンソール画面

執筆現在、Insta360のレンズ補正プロファイルが実装されていないため、今回は代替としてGo ProのHERO13を選びましたが、DJIのOsmo Action 5 Pro等でもいいと思います。今後LightroomのアップデートでInsta360各機種のレンズ補正プロファイルも実装する可能性はあると思いますので、その時はそちらを適用させればよいかと思います。こうして「DEWARP」相当まで仕上げたのがこちらの写真です。

Insta360 AcePro | F2.6 1/18 ISO400

周辺の湾曲がなくなって自然な広角感の絵になりました。「ULTRA」のほうが好みの方はレンズ補正をせずにそのまま仕上げればいいと思います。

Ace Pro で撮影した静止画の作例集

このようにして現像した作例をいくつか投下しましょう。

Insta360 AcePro | F2.6 1/18 ISO400
Insta360 AcePro | F2.6 1/18 ISO400
Insta360 AcePro | F2.6 1/18 ISO400
Insta360 AcePro | F2.6 1/1600 ISO100
Insta360 AcePro | F2.6 1/680 ISO100
Insta360 AcePro | F2.6 1/18 ISO400
Insta360 AcePro | F2.6 1/170 ISO1600

細かいことを言えば粗はあるでしょうが、全体として見ればそこそこ鑑賞できる写真に仕上げることが可能かと思いました。このほかヨドバシアキバを撮影した作例も記事にしておりますので、ご興味のある方はご参照ください。

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結論:手軽な超広角撮影手法として新たな選択肢

まだまだ使い始めたばかりですが、ファーストインプレッションとしては以下の印象を持ちました。

小型軽量で持ち出しが圧倒的にラク。撮影時も警戒されにくい

4,800万画素(相当)の高精細画質。RAW現像で一定のクオリティまで追い込める

暗部など一部のシーンにおいて、画像処理の塗りつぶし感が気になる

最短撮影距離が0.6mと長いので、近接撮影は厳しい

日頃からフルサイズのデジタルカメラを使っているような方にしてみれば、センサーサイズがフルサイズの1/10程度しかないということで物足りなく感じるでしょうが、RAW現像までを視野に入れればまずまず写真として追い込めるので結構面白い選択肢ではないかなと思いました。個人的には夜間の空の表現とか、塗りつぶし感がひどくてそこは気になりましたが、ここまで気軽に超広角が撮れるのは普通のカメラにはないメリットと言えるでしょう。

さて、実はAce Proシリーズにはすでに後継機であるAce Pro 2が発売されています。いろいろと性能はアップしているようですが、静止画の基本スペックはほぼ変わらないので、最新機種もいいですが安くなったAce Proがむしろ狙い目かと思いますがいかがでしょうか。

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