
松尾芭蕉が奥の細道で訪れた最北の地
蚶満寺(かんまんじ)は、秋田県にかほ市に所在する曹洞宗の寺院です。歴史は古く、開創は平安前期の853年。1689年(元禄2年)には奥の細道最北の地としてここを訪れた松尾芭蕉が、隣接する象潟九十九島(きさかたくじゅうくしま)の景観を絶賛したと言われています。


1804年の象潟大地震で九十九島が隆起して干潟(陸地)になった際、本荘藩がこの場所の開拓を進めようとしたことに対し、九十九島の保存を主張したのは蚶満寺の僧であったと言われ、九十九島とは浅からぬ縁のあるお寺といえます。

境内には入館料を払って入場しますがこれがちょっとわかりにくい場所にあり、「皆さん気付かずに通り過ぎてしまうんですよ」と料金所のおばさんが漏らしていました。こちらが本堂になります。

最後に改築してからどれくらい経過しているのかわかりませんが、わりと質素な造りかと思います。

こじんまりとした境内ですが、きちんと手入れされていて小綺麗な印象です。

裏庭には樹齢1000年(ほんまかいな)といわれる巨大なタブの木の姿が。写真では大きさが伝わりにくいですが全長は約20メートルとのこと。

あとで知ったのですが、このお寺には蚶満寺七不思議と称される不思議現象が存在しているとのことで、例えば凶事の起こる前に鳴く夜鳴きの椿とか、下ろしても夜が明けると木の上に登っている木登り地蔵とか、あるのだそう。七不思議すべてを写真に撮っておくべきでした。

ふと見ると兄弟とおぼしきねこさんが2匹お昼寝中。人が近付いてもまったく警戒もせずうとうとしていました。これもあとで知ったのですがこのお寺、住職がここに捨てられ住み着いた猫のお世話をしているとのことで、地元では猫寺としても有名なのだそう。

芭蕉も訪れた蚶満寺、派手さはありませんが趣のあるお寺ですので、九十九島に訪れた際は是非ご覧になってみてください。ねこさんにもよろしくね。
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