
田園地帯に点在する無数の島々と鳥海山の絶景
象潟九十九島(きさかたくじゅうくしま)は、秋田県は鳥海山のふもとに点在する100以上の島々が、まるで田園地帯に浮かんでいるように見えるこの地方独特の風景です。元々は紀元前に起こった鳥海山の山体崩壊により、山頂から滑り落ちてきた巨大岩塊が海の中に浮かぶ入り江を形成したのがはじまりですが、1804年の象潟大地震によってこれが隆起し、陸地となって現在の姿となりました。

かつては日本三景の松島に並び「東の松島、西の象潟」と称された景勝地で、松尾芭蕉が奥の細道(1689年)で最北の目的地として訪れた地とも言われています。側に佇む蚶満寺の山門から、芭蕉の足跡を辿ってみましょう。

山門を潜ると松の木が並んだ一本道が続きます。海岸っぽい風景ですが、もちろん現在は完全な陸地です。

九十九島は田園に点在する小島ということで、島でありながら田んぼの畦道を辿って島巡りができるという珍しいもの。一周約2.3キロと結構な距離のコースですが、近道コースなら1.6キロでいけるようです。

今回はちょっと時間の問題で、最寄りの駒留島のみ行ってみました。人の目線の高さなのでものすごく遠くまで見渡せるわけではないのですが、田んぼが水面だとしたらなるほど松島っぽい景色かもしれません。

こちらが駒留島です。なんか見覚えがあると思った方、ここは実はJR東日本の「大人の休日倶楽部」キャンペーンのロケ地となったことがあって、あの吉永小百合さんも来たことがあるのです。

島からは鳥海山がひときわ綺麗に見えますので、時間がある方はもう少し何島か足を運んでみてはいかがでしょうか。

しかしながら田園地帯に浮かんでいるようにみえる無数の島々、という景色は、もっと上空からの目線でないとなかなかわかり辛いので、近くの道の駅「ねむの丘」の展望室へ行って撮影したのが冒頭の写真になりますが、まあこれもわかり辛いですよね。これより上空からとなるとドローンでも飛ばすしかないのかも。
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