
ハーフカメラが似合いすぎる築地場外市場
昨年PENTAXから発売されたハーフサイズフィルムカメラPENTAX 17が気になって気になって、でも高いよなあと導入にあたって迷いに迷っているところですが、ハーフサイズのカメラといえば実は私はすでに何台か所有しているのです。そこで久しぶりにハーフカメラのフィーリングを体感してみようと思い立ち、中でもダントツで画質がいいと思っているOLYMPUS PEN FTを防湿庫から取り出しました。

OLYMPUS PEN Fシリーズは1963年発売された、実質的に世界唯一のレンズ交換式ハーフサイズフィルムカメラ。その唯一無二のコンセプトは未だ色褪せることなく、現在でも熱心なファンに支持されています。

今回数年ぶりに手に取りましたが、シャッターの挙動が絶好調で驚きました。いろんなフィルムカメラを持っていますが、古くなるとスローシャッターが怪しい個体も多い中、ここまで全速バシッと決まるなんてさすがはOLYMPUS。なんだかいい写真が取れそうな予感を胸に、この日向かったのはフィルムカメラが似合いそうな築地場外市場です。

築地市場は2018年に豊洲市場へ移転しましたが、隣接する商店街である築地場外市場は現在も営業していて、最盛期の賑わいではないのでしょうがむしろ適度に寂れ感のあるところが妙に趣深いです。古き良き商店街の風情を感じたいのならここは狙い目でしょう。

ハーフカメラなので通常の35mmフィルムのひとコマに2枚分の写真を納めて組み写真のように鑑賞できるのですが、築地場外市場というちょっとごちゃっとしたロケーションのざわざわした息吹きを表現するのに、この形式はよくフィットしていると思います。

写真1枚当たりに掛かる画像記録面積が通常の半分になるためどうしても画質は落ちるのですが、しかし2枚ひと組の組み写真形式ではなく、1枚として処理してもどうでしょうこの写り。粒子感はありますが全然良く写っていると思いませんか。ズイコーレンズの素性の良さを感じずにはいられません。

なんか楽しくなってきたのでどんどんシャッターを押しましょう。ハーフカメラなので普通にカメラを構えて撮ると写真は縦位置になります。当時は縦位置の写真がデフォルトって馴染めない方も多かったようですが、時代が変わって現代ではスマホの写真が縦位置なので、むしろこちらのほうが一般的かもしれません。

あと2枚ひと組の写真ってどのショットが隣に来るのか撮影時には考えていないので、組み合わせの偶然性を楽しむこともできます。場合によってはちょっとしたストーリーを感じられたりするのもいいですね。


商店街は海産物が中心の市場としても機能していますのでお昼で営業を終えるお店も多く、午前中が賑わいのピークとなるようです。この日は訪問がランチタイムを過ぎた後だったのでもう閉まっているお店も多く、次回は絶対に午前中のうちに来てみようと思いました。

さて久しぶりのハーフサイズカメラでしたが、あっという間にフィルム1本を撮り終えてしまいました。画像記録面積が小さいのでどうしても背景ボケとか凝った写真を撮るのは難しいですが、それでもここまで高画質、最近は銀塩フィルムも高騰していますので通常の倍の枚数の写真が撮れてコスパも良好と、あらためてハーフカメラのアドバンテージを再確認することができました。さてPENTAX 17ですがどうしましょう。やっぱり購入したほうがいいですかね・・?

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