習志野駐屯地内に佇む「第一空挺団」資料館
空挺館は千葉県船橋市の陸上自衛隊習志野駐屯地内にある展示施設。建物はコロニアル様式を基調とした洋館風の外観に、陸上自衛隊の空挺部隊である第1空挺団の資料を中心として、その他空挺部隊の歴史的な資料が展示されています。
もともとは1911年、東京目黒区に騎兵連隊御馬見所として天皇や皇族が馬術などの観賞をする目的で建てられた迎賓館用途の建物でしたが、1916年に習志野原に移築後、迎賓館用途のほか入隊した皇族の宿舎としても使われていたようです。建物に入ると正面すぐに帝王階段があり、これは晩年の明治天皇の体力に合わせ、2階のバルコニーまでの導線が最短となるように配慮された設計とのこと。
階段の踊り場横には付き人用の小部屋と小階段が用意されています。
階段を登りきるとすぐバルコニーが現れ、目黒にあった当時はここから馬術の訓練地が展望できたといわれています。扉には菊御紋の模様が彫られているなど重厚な装飾が施されていて、ここにも天皇の訪問を強く意識した仕上げがなされているように思います。
空挺館はいつでも見学できるわけではなく、年間数回の一般開放日のみに限られます。令和6年度のスケジュールはこちらのページに公開されていますが、年間数回といったところ。実はこの建物内には空調の設置がないので、夏場の公開は見送られているようです。
正直なところほぼガラガラなのではと思っていたのですが、まずまず人は集まっていた印象です。もちろん混み合うほどではないので、自分のペースでゆっくり見学することができるでしょう。
ここは空挺団の歴史資料館という位置付けではありますが、建物自体も当時の習志野原と明治天皇の関わりを知る手がかりとしてたいへん貴重なもの。保存状態は悪くはないですが、築年数を考えれば今後は補修も必至と思われますので、興味のある方はまずは一度お早めに見ておくことをお勧めします。
ところでこの日の装備はNikon ZfにCONTAX Gレンズ群を合わせてみました。Zfに似合わないレンズはありませんが、CONTAX Gレンズはひときわよくフィットしていて見ているだけで幸せな気分になります。もちろん描写のほうもばっちり。特に今回、狭い室内ではビオゴン21mmが大活躍してくれました。
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