動物園と超望遠レンズは相性抜群の組み合わせ
タムロンさんの新製品モニターキャンペーンでお借りしていた50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD(Model A067)の実写レポート第3弾は東京は台東区の恩賜上野動物園です。ここは定期的に訪れているつもりでしたが、調べてみると最後に入園したのは2018年で、いつのまにか6年近く経ってしまっていたようです。
動物園に望遠レンズが相性がいいというのは、普通に遠くにいる動物の姿なり表情を捕えることが出来るというのはもちろんですが、望遠になればなるほど被写界深度が薄くなる特性を応用すれば、檻や柵越しの撮影でも檻や柵がほとんど写らないというテクニックを使えることにあります。
こちらのハシビロコウは檻越しに撮影しているのですけれども、檻とハシビロコウの間に相当の距離がありましたので、檻のほうは被写界深度から完全に外れてあたかも直接写したようなショットとなりました。可能であれば、F値はできるだけ開けたほうが背景ボケも期待できるのでよりいいだろうとは思いますが、F6.3くらいでもこのようにちゃんと写ります。もちろん手持ちです。
フラミンゴの群れも檻越しのショットです。水面の揺れる感じとかも良く撮れていると思います。
こちらの猿は猿山の群れの中の一匹を狙ったもので、檻も柵もなく直接撮影できました。猿山はどの猿を狙ったらいいかとても迷いますが、私は撮影したいポイントをあらかじめ決めて、そのポイントに来た猿を撮影することが多いです。
こちらは焦点距離345mmの超望遠域、F6.3でまあ明るくはないですが背景の木漏れ日が光源となって、背景ボケというほどボケませんでしたがちょっと面白い写りとなりました。
最後に大好きなフクロウを。フクロウはどれも檻の中でしたのですべて檻越しのショットとなりますが、ほとんど気になりませんね。
さて短い期間でしたが、今回は50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD(Model A067)をいろいろなシチュエーションで使うことが出来ました。もっと高価で性能の高い望遠レンズはいくらでもあると思いますが、このレンズの価値はほどほどの予算で400mmの超望遠を楽しめて、50mmの標準域までもカバーするという点にあります。望遠レンズを使っている際にふっと1枚だけ標準画角で撮りたいと思うことは意外によくあるものですが、このレンズなら煩わしいレンズ交換なしにそれが実現するのは単純に便利です。
正直明るいレンズではないのでボケの表現は限定的という弱点はあるかと思いますが、画質自体は充分にシャープで満足のいくもの。タムロンといえば2~3世代前の高倍率レンズが、便利だけれども画質はそこそこみたいなイメージがありましたが、最新のレンズでは著しく性能向上していて驚きました。とりあえず手軽に超望遠を試したいという用途にはぴったりでしょう。ただ、Nikonには1本で広角から超望遠までいける価格帯も近いNIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VRという純正の高倍率ズームが存在しますので、大きなライバルと言えるかもしれません。
タムロンさんのHPにレビューが掲載されました。こちらからどうぞ。
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