コスパ最強フラッシュGodox TT600とは
TT600はGodox社から発売されている低価格フラッシュ。Godoxといえば馴染みのない方も多いと思いますが、1993年中国深センで設立され、低価格でありながらプロ級の使用にも耐えうる品質で近年一躍有名となった撮影照明機材メーカーです。日本でも家電量販店で購入できるほか、Amazon等で並行輸入品が出回っていることから、使用しているプロやハイアマチュアのかたも多いです。
このTT600何が人気かというと、フラッシュのガイドナンバーがGN60という大光量でありながら、1万円を大きく割った低価格で購入できるということ。ガイドナンバー60というとCanonやNikonといったカメラメーカーが発売するハイエンドフラッシュ並みの大光量ですが、これらメーカー純正なら価格は5万円程度はしますので、いかにコスパに優れているかがわかるというものです。
但し、そういったメーカー純正のフラッシュのほとんどはTTLという自動で光量を調整してくれる便利機能が付いているのですが、TT600はこのTTL機能を搭載していないので、操作をすべてマニュアルで行う必要があるというのが大きな差となります。つまり、非TTL仕様でも使いこなせるのであればたいへんお得な製品ということになります。
そこで今回はそもそもどんな場合にTTLが必要かを考えてみます。カメラ本体にフラッシュを装着して撮影するオンカメラの場合、カメラからフラッシュを離れた場所に設置してワイヤレスで発光させるオフカメラの場合に分けて考えてみましょう。
オンカメラで使う場合
カメラ本体にフラッシュを装着して撮影するにしても、被写体に直に光を当てるのか、天井や壁に光を反射させるいわゆるバウンスをするのかによっても扱いが違うと思われますが、もし直に光を当てるのであれば間違いなくTTL仕様のほうが便利でしょう。とはいえ近年のカメラは高感度性能も上がっていますので、多くのシーンではバウンスで撮影することのほうが多いのではないでしょうか。
結論から言えばバウンスが前提でセッティングに十分な時間が取れるなら、TTLがなくても何度かリハーサルを行って光量を調整することは可能でしょう。
しかしながら例えば結婚披露宴の撮影とか、部屋の明るさや被写体の人数・距離も一定ではないような場合など、撮り直しのきかないような撮影時にはTTL仕様のフラッシュにしたほうが無難だし安心といえるでしょう。
オフカメラで使う場合
オフカメラでフラッシュを使う際は多くの場合、おそらくスタンドやデフューサーを使って事前にセッティングを行うと思います。このときどうせ何度も試し撮りをして光の方向や光量を調整するでしょうし、被写体の位置がそうそう変わるものでもないと思いますので、正直TTLはなくてもなんとかなるのではないでしょうか。
ただこの場合に、TT600をマスター発光させようとすると、発光命令をフラッシュに伝えるワイヤレストリガーユニットが別途必要になります。Godoxであれば、フラッシュを1台だけコントロールしたいだけならこちらが安価で便利です。
こちらの使い方は別記事でお話ししていますのでよろしければご参照ください。
また例えばすでにマスターフラッシュを所有していて、TT600はスレーブ発光すればよいというだけであればさらにお手軽です。私は現在物撮りでTT600とFC-16と別途TTL仕様のフラッシュ(NEEWER NW645II-N)を使って多灯ライティング撮影をしていますが、フラッシュ単体だとどうしても片側に影ができてしまうので2灯だけでも効果は大きいです。
具体的にはTTL仕様フラッシュであるNEEWER NW645II-NをFC-16でセットしてワイヤレス発光させ、TT600はスレーブモードにすればNEEWER NW645II-Nの発光タイミングに追従して勝手に発光してくれますので、ものすごくお手軽に多灯ライティングが実現します。
シーン別にTTL機能の要否をまとめてみよう
これらを踏まえて、フラッシュの使いかた別にオンカメラ、オフカメラそれぞれの場合にTTLが必ずしも必要かどうかを表にしてみました。
使いかた | オンカメラ | オフカメラ |
---|---|---|
バウンス | TTL推奨 | 非TTLで可 |
直ライティング(単体) | TTL推奨 | 非TTLで可 |
直ライティング(デフューサー等使用) | 非TTLで可 | 非TTLで可 |
あくまで個人的な見解に基づくまとめではありますが、こうしてみるとオフカメラが前提なら前述したワイヤレストリガーユニットの準備は必要ですが、非TTLでも十分使えそうということがわかります。
TT600はこれ1本でどんなシーンにも対応・・というわけにはいかないので、オンカメラでの使用もあり得るという特に初心者の方の初めての1台にはお勧めしづらいのですが、撮影シーンにより、用途がはっきりしている場合は問題なく使用できる一台です。おすすめは汎用型にTTL仕様のフラッシュを1台用意したのちに、多灯ライティングのお供にTT600を使うのがベストな使いかたかもしれません。
もちろん3灯、4灯といった本格的な多灯ライティングを構築したい場合にも低価格なTT600はいい選択肢となりそうです。
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